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ＳＷ「二つの指輪」
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66 名前：エリー 2006/02/09 20:09 ID:me19WOhX
手際よく武装解除されていく闇商人どもを尻目に。
眠りこけている傭兵たちの脇を抜け、倒れている騎士に歩み寄る。
（私たちは勝利したわ。それも完璧に。
　……あれが戦いと呼べるものだったら、だけど）
任務遂行は、拍子抜けするほどにスムーズなものだった。
素直に喜んでいいはずなのに、どこか釈然としない。心に何かが引っかかっている。
（何よこんな男！　一太刀も見せず倒れたくせに……。
　でも……絶対に、只者じゃないわね。それはわかる。なんとなくだけど。
　万全の状態でやりあってたら、一体どうなってたかしら）
……その絵も見てみたかった、とつぶやく私がどこかにいる。
無論、いまさら実現は不可能という、安全の殻に覆われていればこその放言だ。
「……度し難いことだわ、我ながら」
どこまでも論理的でない自分の情緒的な部分に冷笑を与えて、騎士の傍らに膝を折り。
大胆に顔を覗き込みつつ、男の喉笛に手を沿えて。
悪天候に冷えた指を２本ばかり、頚動脈のほうに走らせてみる。
（まだ、生きてる……かな？　あれで死んだとは思えないんだけど……）

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