] 「信じる者の幸福」/対決ステージ


GM    :場所は丘から街に向かう途中の街道。
先程シェイルさんの放った煙幕がだんだん晴れてきたところです。

街に向かって走るハインとそれを邪魔するように追いかけるラヴィーネ。
そしてハインを追うヴィルとシャルアリス。上空を滑空筒で飛行しながら高速でハインとの距離を詰めていくシェイル。
システィーナは言霊でハインの幻を同時に3つ作成する。シャルアリスとヴィルは、その幻に惑わされてしまう。ハインは重装備なのでそれ程速くはないものの、大急ぎで街に向かおうとしている。そこにリーリアと少々遅れてリンが到着する。ハインはリーリアの事を確認すると、こう叫んだ。

ハイン   :リーリア…来てしまったのか;
リーリア  :ハイン…無事で良かった。
システィーナ:お二人とも…この辺りが引き際ですわよ?

ハインは何も言わずにリーリアを抱き寄せるとこう言った。

ハイン   :リーリア…彼女達にも迷惑をかけた…急いでこの街を出なければならない。
リーリア  :いいのかしら?
リン    :別に…私は…
システィーナ:何を迷うことがあるのですか?
リーリア  :私はね…貴女達に迷惑を掛けたくないの…けれど彼らはどうかしら?

幻影に惑わされている、ヴィルとシャルアリスを見るリーリアの視線に、冷たいものが混じっている事にシスティーナとリンは気付く。

リーリア  :彼らは…神と教えを汚している。浄化しなければ…
リン    :駄目です!!

急いでリーリアに抱きつくリン。
リンから視線を離したまま、冷たい視線でヴィル達を見ているリーリア。

リーリア  :彼らの事をあなたは許すの?
リン    :私は…誰も憎みませんし、許す許さないなんてありません。
システィーナ:こんな所で悠長に話している場合じゃないでしょう!

リーリアはこの状況にも関わらず異様なほどの落ち付きを払っている。
ハインもそれを見て戸惑っている様である。
システィーナが作り出した幻影は、効果が切れ消えていく。

シェイル  :リーリアさん…どうかなさったんですか?
シャルアリス:謀られた!(おのれ、姫様めと思っている。)
ウェル!こっちだ、こっちだべ!いつまで騙さられているだべか!!
ヴィル   :現れたな!

ヴィルの視線に気が付くとリーリアは冷たく微笑む。
ヴィルはリーリアの落ち付きを全く不思議に思っていないようである。

シェイル  :リーリアさん、いいから逃げて!
ヴィル   :アーとマーテルを冒涜する咎人め!!
貴様はその罪をあくまで認めない様だな。ならば、この場で裁く!!

リーリアはその言葉を聞くと寂しげな表情を浮かべるが、その表情にもどこか冷たいものが混じっている。

リーリア  :冒涜…それは貴方の行なっている行為をいうのです。殺す事…それがアーとマーテルの教えですか?彼女は子供達に剣を授け、人を殺せと説いたのですか?
アーとマーテルを汚しているのは貴方よ…。
純粋な信仰を取り戻す…貴方達がこんな事さえしなければ…!

そう話す彼女の目には、明らかに狂気の光が宿っていた。周囲に邪悪な雰囲気が立ち込め、悪徳の鎖がPC達に渡されていく。

シェイル  :だめ!
シャルアリス:まずいだべ;
シェイル  :お願いです!みんな逃げてください!!

リンはヴィルとリーリアとの間に入ってこう叫んだ。

リン    :お互いでお互いを傷付けあうのはもう止めて下さい!!
リーリア  :でも…ここで傷付け合う事をしなければ…この者は同じ様な悲劇を繰り返すだけでしょう。
シェイル  :だからと言って、今起きようとしている悲劇を看過する事なんて出来ません。
リーリア  :それがより多くの悲劇を招く事になると分っていても?
シェイル  :そんな事は言葉遊びに過ぎません!
リーリア  :遊びではないわ。
シェイル  :私にとっては…目の前で人が殺される…その事程、重い事はありません!

この時点でシェイルは【紋章】の奇跡を発動させ、ヴィルが連れて来た他の異端審問官達とこの騒ぎを聞きつけてやって来た一般市民達をこの場から急いで逃げるように命令する。
シェイルの命令によって、一般人と他の異端審問官達は異様な恐怖を覚えたのか、そのまま後ろを振り返らずに逃げ散る。
この奇跡の発動により、リーリアの保有している奇跡が宙に浮かび光を発し始め、他のPC達にも、リーリアが「殺戮者」である事がはっきりわかる。

シャルアリス:(吐き気を我慢しながら)ヴィル!あれがこの世の獣だ!!
ヴィル   :やはり、貴様!闇の力に囚われていたか!!
シャルアリス:ヴィルよ…あれが【この世の獣】なんだべ。
システィーナ:ごめんなさい…。
ラヴィーネ :どうやらボク…誤解してたみたい…。

ヴィルはシャルアリスの言葉に首を振る。

ヴィル   :お前達が何を言いたいのか俺にはわからない…。
シャルアリス:ならばはっきり言おう!あれが異端だべ!!
リン    :これ以上やるなら…私を斬ってから行って下さい。
リーリア  :貴女は…目先の救いしか見えないの?
リン    :それだけで…私は一杯一杯です。私はリーリアさまの考えは良く分ります。
私も、リーリアさまと同じ考えですから…。
…それなら…私も殺戮者と同じ考えを持つ者として斬るのですか?
リーリア  :貴女は…目先の救い以外を見る事は出来ないと言ったわね。
それは、自分の可能性を過小評価しているせいだと思うわ。
貴女は自分を過小評価してその先を考えない様にしてるだけじゃないの?
リン    :そうかもしれません。
ですけど…私から見れば「殺戮者」だから殺すというのは、間違ってると思うのです。
システィーナ:リン…それは違うわよ。
リーリアさん、貴女自身が救いを求めてるんじゃないのですか?
リーリア  :…私は「殺戮者」よ?許しを拒んだ者…。
シャルアリス:ヴィル…左右からやるだべ。回り込むだべよ。狙うはリーリア一人だ。
ヴィル   :分った。

リーリアとハインを左右から挟撃しようと回り込むシャルアリスとウェル。
リーリア自身はリンに微笑みかけてこう告げた。

リーリア  :迷う事が貴女の道なのね…。それなら…思う存分悩みなさい。
リン    :迷った中で…自分の正しいと信じた道を進んだ行こうと思います。  
周りがなんと言おうと…私は後悔はしません。
リーリア  :良く行ったわ。だからこそ…貴女に最後の忠告をしましょう。
他者の迷いも…背負える人になりなさい。
リン    :分りました…。

彼女はにっこりと微笑むとヴィル達の方を向き…また冷酷な表情を浮かべます。

リーリア  :さぁ…始めましょうか。
これは聖戦…信仰を正しき道へと戻す為の貴方には、相応しからぬその力…。
そして聖痕。私に捧げなさい、救いへの導きの為に…!

この時点で、「殺戮者」の宴宣言が為されたことになる。
そして戦闘にはいる前にシェイルがリーリアに訴えかける。

シェイル  :リーリアさん…私は、貴女を止めなければなりません。
何故なら…貴女がやろうとしている信仰の浄化は…貴女の価値にそぐわない旧派真教教徒…それを全て殺戮し終わるまで…止まる事は無いでしょうから…。
リーリア  :人は死んで終わりでは無いわ…。私は…間違った信仰を殺し…導きへと生まれ変わらせる。死は転生への道でしょう?
シェイル  :ええ…ですが、安易に転生の道を選ぶ事は生への冒涜です。 
私は…家族も、自分の周囲の人々も…全て殺されました。
これが救いへの道だというなら…私はそんな救い認める訳にはいきません。
リーリア  :死は救いでは無いわ。救いへの過程…そして死を経る事で得る救いもあるかもしれない。それは…神のみぞ知る事よ。
シェイル  :それでは…始めましようか…もう話す事は無いですから。

システィーナ:待って…貴女は救われる事への努力を拒んだのではなくて?
リーリア  :違うわ。救われるかどうかは…神がお決めになる事。
救われるかどうかを決めるのは、人では無いわ。
それに私は自らが救われるのを拒んだだけ…。
シャルアリス:お前達が救いを模索している間に、おら達はおら達で救いを見つけるべ。
人は強い者だから!
シェイル  :始めましょう…自分達の信じる者の為に…。
リーリア  :貴方達の信じるもの…見せてもらいましょうか?


戦闘シーン第1ラウンド

リーリアとハインそしてリンは同一エンゲージ。お互いに至近距離にいる。
シェイルはリーリア達とは少し離れた所にいる。滑空筒で着陸する際に少々風に流されたらしい。
そして離れた所にラヴィーネ、フィレンシア、システィーナ。
一番遠い所に先程幻影で惑わされたシャルアリスとヴィルがいる。

各自の行動(AP)順は次の通り。

AP20…ラヴィーネ
AP14…シャル
AP13…シェイル
AP10…フィレ剣
AP 9…システィ、リーリア、リン
AP 8…ハイン

一番早く行動できるラヴィーネは一旦待機。
その間にシャルアリスが移動し、リーリア達から15m程の距離を取り、そこからグレートソードを振るう。

シャルアリス:必殺!風神剣!![鎌鼬+剛力弦+同時射撃+硬運]
※これが5でクリティカル。

リーリアに向かって飛んできたシャルアリスの鎌鼬をハインは横に入って防護する。
ハインは[防護+鉄壁+八重垣+偏向]で剣と楯を使い、その鎌鼬を捌こうとする。
1度の攻撃で2発命中する鎌鼬に鎧で覆われていない所を斬られて行くが、それ程打撃は無いようである。

ヴィルは移動してリーリア達に接近する。

フィレンシア:さて…ラヴィーネ…どうするの?
ラヴィーネ :あんな偉そうな事言ったけどね…まだ、他の贖罪の方法なんて見付かって無いんだ。でも…ここは戦わないといけない気がする…。
フィレンシア:分ったわ。それなら…貴女は貴女の信じる道を行きなさい。
私は貴女を信じるわ。

フィレンシアはラヴィーネに握られた自分の刀身に付与魔法をかけた。[剛毅+死神+恋人]
※これにより剣の扱いが楽になりダメージが増え相手に当り易くなる。

システィーナは[幻撃+高速言語+言葉紡ぎ]でリーリアを攻撃。幻の刃がリーリアを襲う。
が、ダメージ自体はさほどでもない。リンは待機。

ラヴィーネ :リーリアさん…他に取るべき道は無いの?私達と貴方達の取るべき道は…。

ラヴィーネは[居合+剣槍+無明剣+修羅]で攻撃。
瞬時に剣を鞘から抜き放ち、両手で槍の様に剣を構えてリーリアに向かって突く。
そしてラヴィーネの振るっている剣…フィレンシアには攻撃力増強と直撃し易くなる魔法が掛けられている。
※1でクリティカル。回避する場合はダイスペナルティ3個、受けても2個はかかってしまうという非常に厄介な攻撃である。

ハインがその攻撃も同じ様に防護する。
しかし、掛けられた魔法の効果の為か、剣で受け損なう。楯のみでこの攻撃を受けるが、先程の攻撃とは違いダメージは非常に高く62。I装甲のみが有効である。
フィレンシアの攻撃力がいかに強力かがわかる。

ハインはその攻撃を受け致命傷を負い倒れようとするが、そこにリーリアの【再生】の奇跡が発動。ハインの受けた傷を完全に癒してしまう。
リーリアはラヴィーネに向き直って先程の問い掛けに答えた。

リーリア  :その言葉…あの人にも言ってあげなさい。
ラヴィーネ :あの人?

リーリアはヴィルの方を向く。
どうやらヴィル達にもその言葉を掛ける必要があると示唆しているらしい。

リーリアはハインに聖戦を掛ける。
これによって、通常1ラウンドに1度しか攻撃出来ないのだが、リーリアの指定した目標に対してもう一度攻撃を加える事が出来るのである。
攻撃目標は、至近距離にいて一番打撃を与えられたラヴィーネである。

ハインはリンに[旋風撃+重撃+獣の力+剣圧]で攻撃を行なう。

ハイン   :すまない…彼女をこれ以上迷わせないでくれ!
リン    :私を殺してリーリアさんの迷いが晴れるなら…どうぞ殺してください。

そのまま無情にもハインの剣が2人に襲い掛かる。S27装甲は有効。
これにより、ラヴィーネの残りHPは4になる。
この瞬間にシェイルが待機解除して行動する。
ハインに向かって強力な睡眠薬である眠りの華の噴霧器をそちらに向けて噴射する。
[眠りの華+精緻なる技+マテリアル]

その瞬間、リーリアは【真名】の奇跡を使用して対象をリンに変える。そしてそれに対応してシスティーナが同じく【真名】を使用。その対象をリーリアに変更する。
これが直撃すれば次のラウンドになった瞬間に問答無用で寝てしまうのだ。

そしてリーリアは、その[眠りの華]に【拡大】を使用して、範囲をエンゲージにいる全員へ…つまり、リーリアとハイン、シェイルとラヴィーネとリンをこの影響に入れてしまう。
これは噴霧した気体を吸い込まないように回避するしかない。

リンとリーリア、そしてハインに直撃。
その瞬間、リーリアはハインに【再生】を掛け、ハインはそれを【模造】して【再生】。
それをリーリアに掛けてお互いに[眠りの華]の影響を打ち消す。
その【再生】にシスティーナが【拡大】を使用、ラヴィーネやリンを回復する。
エンゲージにいる[眠りの華]の掛かった全てのキャラクターの影響がこれでなくなり、ラヴィーネとリンの斬られた傷が完全に回復する。

第1ラウンドのセカンドアクションフェイズ!ここから追加行動が取れるPC達が動き出す。

ラヴィーネが[暴走+無明剣+ニ刀流+修羅]で攻撃。
二刀流の一撃目、ウィップを瞬時に抜き放ってリーリアを攻撃する。スリーブシースに格納されている為にウィップは行動消費せずに出せる。だが微妙に手を滑らせたのか、ウィップの攻撃は明後日の方に飛んでいく。
二撃目は峰打ちで気絶を狙う。これをハインが防御に入りあえて食らう。

そしてハインがその攻撃にカウンターで合わせて[反撃+旋風撃+獣の力]。
ハインの剛剣がラヴィーネに直撃し、ラヴィーネの一撃がハインを捉える。
ハインの後頭部に直撃したラヴィーネの一撃でハインは脳震盪を起こしかけたものの、辛うじてその衝撃に耐えきる。一方のハインの剣は深くラヴィーネの腹部を切り裂き、彼女はその一撃により昏倒する。
※20点ダメージにより、ラヴィーネのHPは0。

ラヴィーネが昏倒した時にそれまで待機していたリンが[聖光+薬草知識]。
リンから発せられた癒しの光により、ラヴィーネの傷は塞がる。
※HP回復19。

シャルアリス:必殺!真空斬り!![鎌鼬+剛力弦+同時射撃+硬運+速射]

目標はリーリア。シャルアリスの剣から二発飛んでいく衝撃波をハインが防護。
リーリアの変わりにそれを剣と楯で捌く。
二発の内、1発目は殆ど捌ききるが、どうやら2発目は効いたらしい。

システィーナの[高速詠唱+魔力集中+雷撃]による攻撃。
システィーナから飛ばされる雷撃はリーリアに向けて放たれるが、リーリアが魔法抵抗にクリティカル成功。雷撃はリーリアの肌を傷付ける事なく四散する。

聖戦の効果により追加行動ができるハインが行動する。剣の間合いには倒れているラヴィーネ。
そして無傷のリンとシェイル。

シェイル  :ラヴィーネさんは倒れてますよ。それとも私を斬りますか?

半ば挑発しているに等しい。
その言葉を聞いてシェイルに斬りかかるハイン。[旋風撃+重撃+獣の力]
その剣戟が直撃しようとする瞬間、シェイルのブーツからローラーブレードのような車輪が出て、彼女が羽織っている革マントが淡く光を発し始める。

シェイル  :その程度の剣では…私を斬る事は出来ませんよ。

[疾風輪+精緻なる技+魔技+自動反撃]ハインの攻撃を避けると同時にシェイルの革マント、カーレスから針が出てきてハインの装甲の隙間に刺さり、ダメージを与える。
そして一連のラウンドが終了すると同時にハインの身体から湯気が立ち上り、受けた傷がみるみる塞がっていく。[獣の生命]


第2ラウンド

傷が治った事により昏倒から回復したラヴィーネが意識を取り戻し立ちあがる。

シャルアリス:必殺!虚空破!![剛力弦+同時射撃+鎌鼬+硬運+魔弾の射手]

リーリアに向けられて飛ぶ2発の衝撃波。それは全てハインが剣と楯で受け切ろうとするが、先程と違い今回は鎌鼬を受けて傷を負った所が裂け多量の出血をハインに強いる…。
魔弾の射手…直撃し、傷を負わせた部分を更に損傷を与えるというイグニス(弓使い)の秘技である。

しかし、2発目の鎌鼬の衝撃波は完全に防がれてしまう。
それによりシャルアリスの腕が少し裂け、出血をもたらす…。
秘技には大きな代償が付きまとうのである。

シェイルは「氷の世界」という極低温の冷気を周囲にばら撒く瓶をリーリアに向かって投げつける。[氷の世界+精緻なる技+マテリアル]
瓶はすぐに砕ける為、ハインは変わりに受けることが出来ず、リーリアの身体に直撃する。
※25点Iダメージ
かなりのダメージであったらしく、【不死】の奇跡を使い傷を完全に癒す。

システィーナは魔法付与をフィレンシアにかけて、只でさえ強力なフィレンシアの切れ味を更に上昇させる。
※攻撃力+3

リーリアはハインに[聖光+薬草知識+聖戦]をハインに掛けて追加行動を行なわせ、HP回復もおこなおうとするが失敗する。
ハインは[旋風撃+獣の力+重撃]でラヴィーネを攻撃する。
ラヴィーネはその剣を[武器払い+魔技]で撃ち払う。
ラヴィーネは肩を切られるがハインのバスタードは吹き飛んでしまう。
※ラヴィーネに23点Sダメージだが、装甲有効な為に14のダメージで済む。
ラヴィーネはかなり傷だらけである。(残りHP6)


その瞬間にラヴィーネに[聖光+薬草知識]。HPを17回復させる。
そしてシャルアリスがラヴィーネに【絶対攻撃】の奇跡を渡す。
これにより、すぐに行なわれるラヴィーネの攻撃は奇跡以外では防御できないものとなる。

ラヴィーネはこの攻撃に[気絶攻撃+修羅+絡め取り+【死神の手】の奇跡]を使用。
目標はハイン。
この攻撃が通るとハインは死にはしないもののHPが0以上になるまで行動不能になる。
【死神の手】によるダメージ追加は10D10。平均値でも55の追加ダメージは出るため、ハインは行動不能になると思われたが…ハインは自ら【無敵防御】の奇跡を発動させ、その攻撃を無効化する。虚空に現れた楯が死神の力と武神の力の宿った一撃を受け、砕け散る。

そして、ハインの【無敵防御】が発動したのを見計らってシャルアリスが【天の火】を発動。
奇跡以外では防ぐ事のできない剣から放たれた鎌鼬がリーリアに向かって襲い掛かる。
[鎌鼬+剛力弦+同時射撃+魔弾の射手]
リーリアにその鎌鼬が直撃する…瞬間にリーリアの姿が掻き消える。
【神移】の奇跡を発動させてその攻撃を避けたのだ。
そして鎌鼬が地面に突き刺さったと同時にリーリアは先程までいた位置に出て来る。
シャルアリスは再び、[魔弾の射手]が敵に効果を現さなかったため、ダメージを受ける。
腕から滴る血も相当な量になりつつあった。

フィレンシアが自分の刀身に付与魔法を掛ける。[剛毅+死神+恋人]
自身の刀身に切れ味をあげ、扱い易く、攻撃を当て易くする効果がある。

そして第2ラウンドのセカンドアクションフェイズ!

ラヴィーネは[暴走+二刀流+修羅+無明剣]で、リーリアをフィレンシアで斬る。
先程の様に非常に危険な攻撃力を叩き出す昏い光をフィレンシアは纏っている。
しかし、その攻撃はハインが防護し幸運にも楯で受け流す事に成功する。
そのため、フィレンシアが纏っていた昏い光は消える。

もう片方の手に握られていたウィップでラヴィーネはハインに攻撃する。
[暴走+無明剣+気絶攻撃+絡め取り]
この攻撃もクリティカル。避け様の無い神速の一撃がハインに飛んでいく。そしてハインに直撃した時点で【死神の手】が発動。
受けた剣や楯が微かに曲がってしまう程の一撃だったが、ハインが膝を付く前にリーリアが【再生】を掛け、ハインの受けた傷を治す。

シャルアリスは真空撃[鎌鼬+速射+幸運+同時射撃]で攻撃。
相変わらず目標はリーリアだがハインが防護にはいるために、ハインにしか当らない。
装甲無効のダメージのため、大幅にハインの体力を削る。
※1発目が27、2発目が30のダメージ

システィーナの魔法が再びリーリアを襲う。[高速詠唱+魔力集中+雷撃]
これはリーリアの身体に届き、浅からぬダメージを彼女に与える。
※15点Iダメージ

リンは浄めによって物忌みを行なっている。
先程の様にラウンドの最後に怪我を治そうとハインは獣の生命を使うが、今度は失敗。
開いた傷口は先程の様には塞がらず、血を流し続けた。


第3ラウンド

ラヴィーネはウィップ[二刀流+絡め取り+粉砕剣+無明剣]で攻撃。
鎧を叩き壊し、脚に巻きつこうとして来たラヴィーネの鞭の一撃は、ハインの剣により再び撃ち払われる。
※防御がクリティカル成功

次の一撃、フィレンシアでハインに[二刀流+修羅]の攻撃。
※ダメージは23、Sダメージ
だが、装甲有効で剣と楯で受けられているため、ほぼ攻撃を無力化できた様だ。

シャルアリスが再び虚空破[硬運+剛力弦+鎌鼬+魔弾の射手+同時射撃]をリーリアに放つ。
それを傷だらけになったハインが防護で守る。
装甲無視、29のSダメージと、15の実ダメージがハインを襲い、ハインは昏倒しかける。

リーリアは【再生】を【模造】の奇跡でコピーしてハインの傷を癒す。
先程まで傷だらけで血塗れだったハインの身体であったが、見る間に傷が塞がっていく。

シャルアリス:ハイン…お前は…哀れだべな。
ハイン   :お前に憐れまれるいわれは無い!

シェイルは待機。
システィーナは[高速言語+言葉紡ぎ+幻撃]をリーリアに向かって放つ。幻の刃がリーリアに向かって突き刺さる。
それ程魔法抵抗が強い訳ではないリーリアは再びダメージを受け、だんだん傷が重くなっていく。

リーリアは先程と同じ様にハインの傷を聖光+薬草知識+聖戦で治療し、ハインに追加行動の権利を与える。今回の治癒はそれ程効果を現さなかったようだ。

それが終わると同時にシェイルが待機解除、リーリアに氷の世界の瓶を再び放り投げようとする。
[マテリアル+精緻なる技+氷の世界]
しかし、手元が狂って明後日の方向に飛ばしてしまい失敗。

フィレンシアが先程と同じ様に自分の刀身に付与魔法[剛毅+死神+恋人]を掛け、セカンドアクションのラヴィーネの攻撃力を上げようとする。

第3ラウンドのセカンドアクションフェイズ!

ラヴィーネは[暴走+無明剣+二刀流+修羅]でハインを攻撃。
しかし、その攻撃を、ハインは命中を覚悟でカウンターで反撃。
ラヴィーネに直撃した刃に死神の力が宿る。【死神の手】を使用。
これによってラヴィーネは致命傷を負い、倒れ伏す。

シャルアリスは真空破[速射+剛力弦+硬運+鎌鼬+同時射撃]でリーリアを攻撃。
しかし防護に入ったハインの剣にその鎌鼬は弾かれ、無効化される。
何度も受けているうちにハインの受け方は冴え渡ってきたらしい。(笑)

システィーナは再び呪文攻撃でリーリアを攻撃しようとするが失敗。
呪文の魔力が集まらなかったらしい。

ハインの聖戦はラヴィーネに攻撃目標が指定されている為にラヴィーネが倒れ伏しているために目標が無くなり、効果が発揮されない。

倒れ伏しているラヴィーネにリンから【再生】の奇跡が発動され、致命傷だった怪我が全快する。
【再生】で致命傷を癒し、死亡を回避できるのは同じラウンドの間だけなので、リンはこのタイミングで奇跡を使ったのだ。
ラウンドの最後にハインが再び獣の生命。受けた傷を少しずつ治していく。


第4ラウンド

ラヴィーネの行動は昏倒から立ちなおり、終了。

フィレンシアは待機解除しラヴィーネと分離行動を取り、刀身に炎を纏う。
その炎がリーリアに向かって放たれる。[火炎+運命の少女]
リーリアはその炎を食らい、15の実ダメージ。

この一撃でリーリアは倒れ伏す筈だったのだが、リーリアは【活性化】の奇跡をハインの使用済みの【模造】に使い、【模造】を再び使用可能にする。
そしてハインはその【模造】で【再生】をコピー、リーリアの傷の治癒を行なう。
先程受けた大火傷が完治するリーリア。

シャルアリスは[魔弾の射手]の代償による、心が闇に蝕まれるのを防ぐために物忌み。

シェイルは攻撃のタイミングを計る為に待機。

リーリアは先程と同じ様にハインに[聖光+薬草知識+聖戦]。
ハインの傷を治療し、ラヴィーネに攻撃を加えるようにハインに命令する。

ハインはラヴィーネに[旋風撃+重撃+獣の力]で攻撃。
ラヴィーネはそのハインの剣の刀身に飛び乗ろうとする。[見切り+刃乗り]
しかし、乗り切れずに剣の一撃がラヴィーネに直撃する。
装甲無効の25、Sダメージがラヴィーネに課せられようとする。が、その瞬間、障壁がラヴィーネの身体とハインの剣の間に生じる。(システィーナが障壁+魔力集中を行なった為)
その効果で15攻撃力を軽減、ラヴィーネは辛うじて死を免れる。

シェイルはこの攻撃の済んだ後に[氷の世界]でリーリアを攻撃。
どうやらHP回復を行なえない隙に乗じて攻撃しているようである。
リーリアは氷の世界の瓶を避けられずに当る。攻撃力は20、Iダメージ。
これをリーリアは【無敵防御】で何とか捌く。虚空に現れた楯により砕け散る氷の世界の瓶…。

ラヴィーネは[暴走+気絶攻撃+絡め取り]で、ウィップでハインを攻撃しようとする。
しかし、その攻撃はリーリアの【真名】によって対象をシェイルに変えられる。
ラヴィーネのウィップは軌道を変えてシェイルに襲い掛かる。
間違って疾風輪のローラー部分が余り回らずにその攻撃はシェイルを捉える。
ダメージこそ出ないものの、シェイルの身体にウィップが絡まり転ぶ。

2撃目をフィレンシアで攻撃しようとした所で、リーリアは【爆破】を使用。
フィレンシアの刀身に無数の亀裂が入り砕け散ろうとするがフィレンシア自身が【魔器】の奇跡を使用して刀身を復活させる。そのためにラヴィーネの手が滑ったのか、攻撃は失敗する。

シャルアリスは[速射+剛力弦+同時射撃+硬運+鎌鼬]でリーリアを攻撃するが、ハインの楯による防護によって完全に弾かれてしまう。

システィーナは魔法付与でフィレンシアに再び攻撃力を上げる。
先程の【魔器】で復活した時に魔法の効果も消えていたのだ。

ハインは[旋風撃+重撃+獣の力]で相変わらずラヴィーネを攻撃。
その攻撃を、フィレンシアを使い[武器払い]で弾こうとするラヴィーネ。
しかしリーリアの【呪縛】の奇跡により、ラヴィーネの軽武器はこのターン使用不能となる。
腕に呪縛の半透明の鎖が絡みつくラヴィーネ。

意を決して、ハインの刃を[見切り+刃乗り]で飛び乗ろうとするラヴィーネ。
今回は成功、ハインの振るバスタードソードの刀身の上に飛びのる。

ラウンドの終わりに獣の生命でハインの傷は少しずつ癒えていく。

第5ラウンド

ラヴィーネはハインの片手を刃乗りで封じているので、今度こそリーリアを絡めとろうとハインに[絡め取り+二刀流+気絶攻撃]で攻撃。これがクリティカル。神速の一撃が飛ぶ。

リーリアへの攻撃をハインに防護で邪魔されるため、ラヴィーネは最後の【死神の手】を使用。
やはり徹底的にハインの行動不能を狙っているようである。(気絶攻撃は死ぬ事は無い為)
※67のCダメージ。
このダメージにより、ハインは気絶する。

ラヴィーネ :ちゃんとした答えは出せないけど…これが今出せる、私の答え…。

次いでラヴィーネのフィレンシアでの攻撃[二刀流+修羅のみ]がリーリアに飛ぶ。
しかし、微妙に剣の切れが無いため、その攻撃は彼女に避けられる。

シャルアリスは未だに動かない。物忌みをし続けている。

シェイルはハインが倒れ伏しているのを確認すると、リーリアに氷の世界を投げつける。
[氷の世界+精緻なる技+マテリアル]正確にリーリアに向かっていく氷の世界の瓶を、リーリアは運良く回避。
※偶然回避クリティカルが出た(笑)

システィーナは再び、幻の刃でリーリアを攻撃する。[高速言語+言葉紡ぎ+幻撃]
それをまともにくらい、苦しむリーリア…しかし、まだ立っている。

そしてそのリーリアにフィレンシアからの火炎が彼女に直撃する。[火炎+運命の少女]
何とか火炎の魔法に耐えようとするが…耐えきれずに倒れ伏す。
まるで火刑に処される罪人のように…。

リーリア  :私は…ここで倒れる訳にはいかない!
ここで倒れたら…この道が正しかった事を証明できない!!

そう言葉を残し、リーリアは倒れ伏す。その姿を見てリンは呟く様に彼女に話し始める。

リン    :リーリアさん…貴女の道は決して間違ってはいません…。
貴女は…貴女の信じる道を生きたのです…。
ただ…その道が私達とは違っただけ…。
リーリア  :(顔を上げてリンを見ながら)神には…救われない私だけれど…貴女にそう言って貰えた事が…最後の救いかもしれない…。
リン    :神に救われなくても…私はあなたを救います…。

リーリアに、リンの最後のその言葉が届いたのかどうかは分らない。
彼女はそのまま意識を失ってしまう。恐らくはもう…立ち上がる事はないだろう。

リーリアの冥福を祈るリン。そして聖痕の解放が行なわれる。
14の聖痕が解放され、PC達は光に包まれる。
戦闘で尊厳が削られる事によって起きる闇の鎖の誘惑を、聖痕の解放の光を見る事によって払うのだが…まれに闇の誘惑に耐え切れずに、解放される聖痕を自らの身に取り込んでしまう者がいる…。
その者は、聖痕の力を貪欲に求める「殺戮者」と化してしまう訳だが…シャルアリスが微妙に危なかった様だが、何とか「殺戮者」に堕ってしまう衝動に耐えた。

そして…解放された聖痕は通常そのまま天に昇り、星になる。
砕け散った使徒の欠片である聖痕は天に戻り…再び使徒の身体の一部として再生すると言われている。
そう…次なる「殺戮者」となる者が…その聖痕を奪わなければ…。

だが、解放された14の聖痕が、全てハインの身に吸い込まれてしまいそうになる。
それを見たシスティーナはダガ−を取り出しハインに止めを刺そうとする。
このままでは新たな「殺戮者」が出来るだけだからだ。
愛する者を守れなかった…哀れな闇の使者が…。

ダガ−はハインの首筋めがけて振り下ろされるが…それはハインに刺さらず、留めに入ったシェイルの手の平に突き刺さる。
苦痛に表情を歪めながらシェイルはシスティーナにこう告げる。

シェイル  :まだ…待って…。
システィーナ:今のままなら…彼は堕ますよ。それでも貴女はこの人を受け止める事が出来るんですか?
シェイル  :今のままだと…この人は悲しい思いを抱えたまま転生してしまうから…。
せめて…もう少し待って…。
システィーナ:私は…この人が民を傷付けるのを見るつもりは無い!!

シェイルの手からダガ−を引き抜くシスティーナ。シェイルの手から血が溢れる。

闇に堕ちたものは普通の人のように転生する事が無い。魂が闇に堕ちたものは、死んでしまえば消滅するしかないのだ。現にリーリアの体は既に灰になり消えてしまった。
シェイルはハインを転生させるつもりは無く、リーリアと同じ様に一緒に消えてもらうつもりだったのだ…。せめて…死後に離れ離れにならずに済むように…。

シェイル  :だとしても…今、この人を殺すのは間違いです。

そのまま聖痕はハインの身体に吸い込まれていく。
シャルアリスが大剣で同じ様に止めを刺そうとするが…リンがハインの身体に抱き付き、斬る事は出来ない。
そしてフィレンシアから再び火炎が発せられ…リンの身体を擦り抜け、ハインの身体を炎上させる。そう…リーリアの最期と同じ様に…。
燃えて砕けていくハイン。

そして、その身体からは吸い込まれた聖痕と、自身に元から刻まれていた聖痕…合わせて17の聖痕が天に帰って行く。悲しい、祝福されることのなかった恋人達の想いと共に…。

リン    :目の前で…人が死ぬのは…何度見ても嫌なものですね。
シェイル  :だったら…お互い今度は、同じ結末にならない様に…すればいいじゃない?
リン    :ごめんなさい…。(そのまま走り去ってしまう)
フィレンシア:ごめんなさいね…あの場ではそうするしかなかったの…。

フィレンシアの呟きがシェイルに届く。

少しその場を離れて、リーリアが消えた辺りを見詰めながら…リンはまるで誓う様に、こう言葉を紡ぐ。

リン    :人を…救うには救った後の事も考えなければならないんですね…。
それを…教えられました…リーリア様…。貴女は…私の心の師匠です。

闇に堕ちたが故に、身体が灰になり…消えてしまったハイン。
彼のいた場所にはその雄姿はなく、彼の鎧と剣…そして楯だけが残っている。
それらを運ぼうとするシェイル…。鎧を何処かに埋める様である。

シェイル  :皆さん…私には少し…行く所がありますから…これらは持って行って構いませんか…?

返答がないのを無言の了解と受け取り、シェイルはそれを運んでいく。

全てが終わり…やっと正気を取り戻し我に返るヴィル。
どうやら「聖痕者」と「殺戮者」の戦闘は…初めて見る者にとっては想像を絶するものだったようだ。

ヴィル   :…終わったな…。
シャルアリス:ああ…しかしな、ヴィル。やはりお前達は間違っているだべ。
昔、お前が語ってくれた神の愛の精神は…決して異端を裁く為に手を血に染める為のものではなかった筈だべ…。むしろ…神の敵は…「殺戮者」だべ。

ヴィルは暫く、ハインとリーリアの消えてしまった所を眺め…言葉を続ける。

ヴィル   :俺には…その問いは荷が重いな…今まで…今まで信じる事以外を考える事は無かったからな…。
しかし…彼女達が言うように…迷う事も信じる道だとしたら…。

彼は言葉を続けようとするが…口を閉じて首を振り、そのままその場を立ち去ろうとする。
シャルアリスは彼を追いかける。そして次々と「刻まれし者」達もこの場から立ち去っていく。

ラヴィーネ :何も…出来なかったかな。
システィーナ:彼女達が…遺してくれた物を…私達は忘れてはいけません…。
彼女達は「殺戮者」です…あの人達の魂はもう戻ってきません。
だけど…あの人達の心は私達の中にあります。
私はそう信じます…。
…なんて…私が言っても説得力ないですね。
ラヴィーネ :誰の口から出てきても…その言葉の重さは変らないよ。
特に…こうした経験をした人の口から出る言葉ならね…。
システィーナ:そう言ってくれて嬉しいです。
それでは…私はこれで…。リンが心配なんで…それじゃ♪
ラヴィーネ :また…何処かでね…。さて…ボクもシロスキルへに戻らないと…。
形見…貰いたかったけど…皆持って行かれちゃったしね。(苦笑)

GM    :それではシーンが切れて終局シーンになります。
一人一人シーンを切っていくと長くなるので場面ごとに切ります。
それでは旧派教会のシーンです。

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