] 「信じる者の幸福」/終局ステージ


シャルアリスはヴィルを追いかけて旧派真教の教会まで着いた。
ヴィルは、そこで待っている旧派教会の司祭に任務が終了した事だけ告げると、剣を立て掛けてそのまま自分の泊まっていた部屋に向かおうとする。

ヴィルのその様子を見て、教会の人々は口々に話し始める。
「…一体あの人に何があったのだろう?任務が終わった後に、あんな顔をする人では無かったのに…。」

彼らに向かってシャルアリスは語りかける。

シャルアリス:ヴィル審問官殿は、己の全能力を尽くして敵と戦い…そして辛い勝利を得たのだ…。今は彼をそっとして置いてやるべきであろう。休息の為に…。

そしてその場にラヴィーネとフィレンシアも出てくる。
どうやら彼女達もヴィルに話すことがあったらしい。ヴィルはそれを確認したのか、彼女達の方に振り向く。

ラヴィーネ :この前は…あんな事を言ってごめんなさい。
結局…ボク自身…何も示せなかったから…。
でも…それで終わりじゃない。人は…幾らでも成長できるから…。
次あった時は…あなた達の事も受け入れられるような…
そんな人になって見せるから…。その時に…また会えるかな?
ヴィル   :君が…会いたいと思うなら…。
ラヴィーネ :だって…成長したところを見てもらわないと…悔しいもん。

彼は苦笑し…自分の部屋にはいろうとする。そして扉を閉じる時に呟く様に「お互いにな…」といい…そのまま部屋の扉を閉める。

ラヴィーネ :お互い…がんばろうね♪

そう扉に声をかけ、階下に降り…旧派真教の教会から出る。
そしてそこには、ラヴィーネが出てくるのを待っていたようにシャルアリスがいる。

シャルアリス:お疲れ…
ラヴィーネ :そちらこそ…。
シャルアリス:これからどうするんだべか?
ラヴィーネ :うん…幾ら剣匠卿とは言っても…まだまだ上を目指せるから…。
腕も…心も…これからは少し、心の方も鍛えたいから…。

その言葉にシャルアリスは頷き一歩ラヴィーネの前に出る。

シャルアリス:無粋な事は言うまい…また会う日までさらばだべ!
ラヴィーネ :お互い…頑張ろうね。もう一人の剣匠卿♪
シャルアリス:そのセリフ…言われるまでも無い。
ラヴィーネ :今度は…私や貴方の御弟子さんが会う事になるのかもね。
シャルアリス:分らん…分らんだべ。
ラヴィーネ :でも…きっとまた会えるよね♪
シャルアリス:ああ…幾らでも会えるだろう。
ラヴィーネ :それじゃ、そろそろ行くね。
シャルアリス:別れに言葉を費やすよりも…再び会った時に微笑を交わそう。
ラヴィーネ :またね。

ラヴィーネが微笑むとシャルアリスは苦笑しながらこう続けた。

シャルアリス:微笑は…再会まで取っておいて欲しいだべ。
ラヴィーネ :でも…。くす、うん…分ったよ。

そう言ってラヴィーネはシャルアリスとは逆の方向に去っていく。
そしてシャルアリスは歩きながらこう呟くのだった。

シャルアリス:別れは…再会への第一歩だべ。


GM    :それではこのシーンはここで切れます。次は新派真教の教会のシーンです。

教会に戻ると…そこにはいつもの様にテーブルの上には花々の鉢植えが飾られている。
…礼拝の人々が来ない間、ノーヴィス祭司は花々をぼんやりと眺めている。

リン    :ただ今…戻りました。
システィーナ:ただいま…。
ノーヴィス :二人とも…お帰りなさい。

ノーヴィスは、2人の面持ちからある程度辛い事があったのだと察し、その事については何も触れなかった。

リン    :今日は…疲れてしまいました。
ノーヴィス :なら…今日はゆっくりおやすみなさい。
リン    :いえ…お祈りが残っていますから…。
ノーヴィス :そうですか…。
システィーナ:それじゃ、私も…たまにはお祈りしておかないと…。神に見放されてしまいそうですからね。
ノーヴィス :神は…人を見放したりはしませんよ。人が…許しを拒まない限りは…ね。

2人は礼拝堂で神に対して祈った。

システィーナ:明日はいい日でありますように…
リン    :ハインさんが幸せでありますように…。

GM    :祈りを捧げ…あの花、『信じる者の幸福』の香りが風に流れてきた所で、シーン終了です。
では、最後…シェイルさんのシーンです。

シェイルはハインが待っていた、あの丘に来ていた。
鎧をそこに運び込み…大地にその鎧を埋める。
そして彼の剣をそこに突き刺し墓標代わりにする。

シェイル  :結局…貴方は守るべき者を守って…その結果それに殉じて死ねたのですから…。
きっと…それが貴方にとっては幸せだったのでしょうね…。
…今回の件で様々な事を学ばせて頂きました…。
私は…自分の国を復興させます。
もう二度と…貴方達のような、差別されて…悲しい思いをせずに済む、安心して暮らしていけるような国を…。

そしてシェイルはハインの持っていたカイトシールドを形見に貰っていった。
この楯は後に、シェイルの手で溶かされ彼女専用の楯になる。この時の思いを忘れない為に…。

GM    :シェイルさんが丘を去り…帰路に着いた所でこのシナリオは終了します。
お疲れ様でした♪

Blade of Arcana 〜信じる者の幸福〜 End


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