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ブレイド・オブ・アルカナリプレイ「虐殺の記憶」
/レギュレーション
使用ルール 本体全部&RofG全部&LofG全部(ただ、ランギル因果律に関しては要許可)
経験値 初期+100点
舞台 ケルバーとドラッフェンブルグの間にある山岳地帯(予定)
追記1 新規でも聖痕大戦キャラでも可。ただし、強制的に過去がついたりするのでご注意下さい。m(_ _)m
追記2 下記のハウスルールを採用します。
・∵心友∵の効果追加
『エルスを対象に含む魔法及び錬金術の効果をひとつ打ち消す』
ただし、∵神移∵による緊急回避と同様に、防御の判定より前に宣言すること
・∵魔器∵の効果追加
『ディアボルスを対象に含む攻撃の効果をひとつ打ち消す』
ただし、∵神移∵による緊急回避と同様に、防御の判定より前に宣言すること
・エルスの《盟友》
『《盟友》レベル+2までのクリーチャー相当とする』
/登場人物紹介
"小啓示(クライス=オッフェンバールング)"マルセル
プレイヤー 孝さん
本名 マルセル=メルダース
アルカナ ファンタスマ=フィニス=オービス
キャラの印象 柔らか〜な雰囲気をかもし出すほのぼのお兄ちゃん。しかし、裏では能力(切籠の目)を生かしたバリバリの行動派。
シナリオ因縁 過去)幼子 "求める者"ミリシャ
キャラの過去 こちら
"鉄犬"ベルガー
プレイヤー 2RIさん
本名 ベルガー・ベルクハイム
アルカナ レクス=クレアータ=アクア
キャラの印象 表はクール、中身は情熱的な渋いおじさん。やることもなかなか渋い。
シナリオ因縁 過去)仇敵 "ロット=ソーサラー"ジェラヴィス
キャラの過去 こちら
"魔人"レイフォード
プレイヤー RAIさん
本名 レイフォード・アーネンエルベ
アルカナ エフェクトスレクトス
キャラの印象 暗黒交じりの熱血系兄ちゃん。今回のPCではNO.1の攻撃力を誇る
シナリオ因縁 現在)恩人 "孤児院の祭司"モリアン
キャラの過去 こちら
"翡翠の"ジェラルディン
プレイヤー まいける
本名 ジェラルディン・ウィンスレット・ビンゲンブルク
アルカナ アングルス=ディアボルス=グラディウス
キャラの印象 結構力強く生きている孤高の女剣術使い。御参方においしい所を取られてしまったとはPLの談。
シナリオ因縁 過去)"隻眼の"グリフェンヘルム
キャラの過去 こちら
シナリオ以前の聖痕者達
/"小啓示"の記憶
物心ついた時には、既に両親はなく、僕はモリアンさんの孤児院で育った。
だけど、体が弱く、なかなか周りと馴染めない僕は、本だけが唯一の友達・・・。
そんな中、僕はあの娘と出会った。ミリシャと。
彼女は篭もりがちだった僕を清々しい外の世界へ連れ出してくれた。かわりに僕は
彼女に本から得た知識を語ってあげる。彼女は喜んで聞いてくれた。だから、もっと
面白い話を聞かせてあげようと、いっそう読書に励んだ。
ある日、僕は本の中で魔術という存在を知った。本を読めば読むほどその興味は尽きない。、
そして、僕は本で見た魔術という力をもっと知りたいと思い、旅に出る決意をした。
旅立ちの日、ミリシャは泣きながらこう言った。「また、おはなし聞かせてくれるよね?」
僕は大きく頷いた・・・。
あれから8年、僕は魔術の修行に勤しんでいた。だけど、最近、あの時のミリシャの顔が
いつも脳裏に浮かぶ。会いたい・・・、故郷に帰りたい・・・。そう思った僕は再び旅に出た。
懐かしき故郷に帰るために・・・。
/"鉄犬"の記憶
十代半ば、両親が病で死んだ事を機に、故郷を出た。1040年代初頭、未だ併合戦争の傷跡が癒されず、辺境では貧困や傭兵上がりの野盗による不安が漂っていた時代。己の食い扶持と、多少の若者らしい正義感と野心、それらを満たすために「禿鷲の巣」に賞金稼ぎとして所属した。
幾人かの賞金首を捕え、巣の仲間達と大規模な盗賊団を摘発もした。暴力と犯罪に溢れたその数年間を無事に生き残ることが出来たのは恵まれた体躯と、多少の才覚と幸運のおかげだ。そして、最大の幸運は愛すべき女性リーゼ、彼女と出会い、結ばれたことだった。
彼女と出会い、結婚をし、賞金稼ぎであることを辞めた。犯罪者相手の荒事、危険な生活を捨て、彼女と供に生まれ育った故郷へと帰った。
故郷では小さな畑と、森での狩猟を糧にささやかな家庭を築いた。数年して子供にも恵まれた。妻と娘と昔なじみの村人達。大きな争いごともなく、多少退屈ではあるけれど、平穏で、そして幸福な生活を手に入れることが出来た。
だが、5年前のその日、それら総て失った。
記憶にあるのは、破壊された家屋、燃える村、異形の化け物、そして、炎の向こうから響く異様な哄笑。狩猟から戻り、その光景を前にして、化け物達をなぎ倒しながら自分の家へとひたすらに駆け戻った。
化け物達を追い、森を駆けて戦い続けたが、化け物達は強く、数もまた多い。全身に深い傷を受け、いつしか逆に追い詰められ、崩れた崖から川へと転落した。
意識を取り戻したのは数日後、川下で偶然に助けられた。四肢が欠け、内蔵も傷つき瀕死の状態であったという。更に数ヶ月、何とか歩行が出きる状態になるとすぐ故郷へと急いだ。
村は黒く焼けた残骸で、人も家畜も生きる者は何もなかった。ただ、自分の家の跡に奇跡のように焼け残ったスカーフだけが残されていた。妻リーゼに贈った安物のスカーフ。
そのスカーフを握りしめ、旅立つ。かつて賞金稼ぎとして過ごした街へ。当時聞いた裏街道の情報から、まっとうではない人間達のつてをたどり、
役に立たなくなった躰の代わりに魔物に負けぬ強靱な鉄の躰を求め、故郷を奪った仇敵"ロット・ソーサラー"ジェラヴィスの情報を得て。
そして、今も旅を続けている。ジェラヴィスに報いを与えるために。人々の平安な幸福を奪う総ての罪人共を断罪するために。
/"魔人"の記憶
(最近セプテントリオンの者を見かけない…。やはり個人の力ではこの辺が限界か…)
―村が滅んで数ヶ月がたつ。しかしセプテントリオンの捜査は全く進展しなかった。
何か事件がおきたとあればそこに行き、事件にエフェクトスがかかわるようであるならその事件にかかわったりもした。
それらのうち、セプテントリオンのかかわりがあったのは、ほとんどが人攫いなどの非合法的なことであった。
それを見たとたん自分を失った俺は、元力の解放をしてしまった。気が付いたときにはそこにはまさしく「ナニ」もなかった…。
また、時にはエフェクトスに襲われたこともあり、そいつには「マスター」クラスの元力使いの強さを教えてやった。
俺は、そんな旅をずっと続けてきた。だが、セプテントリオンに関しての情報は巧妙に隠されており、そう簡単に見つけられる物ではなかった。
いつだったか誘われたエステルランドの宮廷魔導院の世話になるときが近づいてきているのかもしれない。
…このまま一人で探すよりよほど都合がいいか。仕方ない、連絡を取るために大きめの町に行くとするか。
「暗くなってきたか。野営の準備…ん?」
あの煙は…炊事の煙?こんなところに村があったのか…。
町に行くのに時間をかけてなどいあられないために山道を通ってきたが、まさか途中に村があるとは、な。
ちょうどいい、今夜はあそこで宿を確保するか。
―だが、歩き出す前に奇妙な訪問者のおかげでまだそこにとどまることになった。
「…!?この、臭いは………」
目の前にはいつのまにか人間が立っていた。いや、「それ」は人間にしてはあまりに肌の色が悪かった。
決定的なのは、ところどころ腐りかけているというところだ。
そう、そこにいたのは一体のゾンビなのだ。
「こんなところに、単体で…?」
そんな話聞いたこともない。あるいは「今」から発生するのか…。どちらにしても長居するのは賢い選択じゃないか。
ならば――いっきに決める!
しかし、ここまで接敵されてしまったせいで俺が集中するより早くヤツの攻撃がきてしまった。
普段であれば何の問題もなく防いだのであろうが、、そのゾンビの関節はすでに砕かれており、本来ありもしない動きをした。
さすがにそれを一撃目から読みきることができず、かすり傷を追ってしまったが、所詮はゾンビ。
次の瞬間には炎の渦に巻き込まれ、完全に焼滅した。が、それを確認すると同時に俺の意識も途絶えた…。
(チッ…どうやらあいつの手には何か毒が入っていたか。く、こんなところで死ぬわけにはいかない。こんなことで死ねない。絶対に生きてやる!)
「…ぜっ……、生き…る…」
そして、完全に気を失う瞬間に自分に近づく人影を見たがそれ以上は意識が耐えられず、俺の精神は深い闇へと飲まれていった―。
/"翡翠"の記憶
「貴腐の子(エーデルフォイレ)」。
ビンゲン伯の系譜に突如現れる、高貴なる腐敗の呪いを受けし子らのことである。
その高貴な血筋の、か細い傍系であるウィンスレット家の長女、ジェラルディンがエーデルフォイレとして生まれたのは、いかなる偶然のいたずらであろうか。
延命を約す貴腐ワインをつくるエーデルフォイレとして、旧派真教会はジェラルディンに入信を勧めた。親族は薄気味の悪い外見をした少女を遠ざけられるならば、と口には出さなかったが、嬉々として旧派真教会にその身を託した。
司祭たちはジェラルディンを教皇への捧げ者とする思惑があった。
だが、ジェラルディンのか細い体と命は、教皇領への旅すら耐えられない。司祭たちは、己の栄達のために役に立たないことを悟ると、少女に形だけの聖別を施し、手入れする者のいない神殿に置き去った。
親族はそれでもエーデルフォイレの少女を遠ざけられたことに満足した。
ただひとり、血を分けた弟……健康なトリスタンを除いて。
◇
ジェラルディンは、閑静で気候の変化も少ない神殿で本を読み、食べる者のいない料理を作った。
ただ、静かな時間が流れた。
平穏に波をもたらすのは、月に一度遊びに来る弟・トリスタンの存在だけ。
ジェラルディンは丹精込めて焼き菓子や料理を準備した。静かに朽ちていく彼女の、唯一の慰みである。
16歳の誕生日も、人里から離れた神殿で迎えた。
誕生日を祝うのは、弟トリスタンだけ。
近年、特に発作がひどくなり、意識を失うことが多くなった。トリスタンは姉の容態について幼いながらに理解していた。
これが、ふたりで過ごす最後の誕生日になる。
ふたりとも、そのことを漠然と感じ取っていた。
静かに死を待つだけの少女は、健康な弟・トリスタンのために、いつものようにパイとクッキーを焼き、白ワインを準備した。
その晩は、ひどい嵐になった。
ジェラルディンは食事の途中で体調を崩し、寝台で休んでいた。トリスタンが健気に看病している。
あたり一帯を荒らし回り、手配されていた野盗たち。彼らが侵入したことに気づく者はいなかった。いたとしても、止めることはできなかっただろう。
傭兵くずれの野盗たちは、ほどなく不気味な容姿をした少女と、勇敢にも姉をかばおうとするトリスタンを見つけた。
必死の形相でナイフを構える少年。無論、相手になろうはずがない。
逆に、野盗のひとりがおもしろ半分に振るった剣がトリスタンの胸を貫いた。ただ、運がなかったとしか言いようがない。
倒れ伏し、赤い血を流すトリスタン。
冷たくなる弟の手を握りしめたまま、ジェラルディンは動けなかった。足下の短剣を握りしめたのは、「これで喉を突けば楽になれる」と考えたからだった。
短剣を握る手は、血に染まっている。
温かい血潮。冷えていく弟の体。
自分とは違う色。赤い血。健康で、よく動き、よく食べる弟。
弟だった肉塊。
肉塊。死。肉塊。死。肉塊。死────
──こんなにも、簡単なことだったんだ。
淡い黄緑色の瞳に、血の色が混じる。
赤い、奇妙な模様。
聖グラディウシアの凶眼。
死を司る聖痕。
異様な雰囲気に、野盗たちが色めき立つ。
──こんなにも、簡単なことだったんだ。線に触れるだけで──
ジェラルディンは、もっとも近くにいた野盗に体ごと倒れ込んだ。か細い手に握られたナイフが、男ののど元をなぞる。男の意識が飛んだ。断ち切られた。
──点を突くだけで──
ナイフは最短距離を通って男の胸に吸い込まれた。 一瞬の間をおいて、噴水のように血が噴き出す。
絶命。
──死ぬ。殺せる。命を消せる。
館が再び静寂につつまれたとき、息をしている者はジェラルディンただひとり。
ジェラルディンは、最後の力で弟のもとにたどり着く。
意識が飛んだ。
◇
精神・肉体ともに極限まで衰弱した彼女を救ったのは、グリフェンヘルムと名乗る隻眼の老人だった。
人形のように生を拒む彼女に、グリフェンヘルムはエーデルフォイレたちの生き様を語り、選択を迫った。
人形のように、静かに朽ちて死ぬか。
生命の限界まで己を鍛え上げ、強者として生き残るか。
一方で、グリフェンヘルムは翡翠色の小鳥をジェラルディンに託した。
人なつこい動作で、指先にとまる小鳥。不思議と、力が生まれた。
生きようとする意志。
もっと、生きたい。強く生きたい。弟が目を輝かせて語った、英雄たちのように。
かつて実在し、剣を手に運命と闘ったエーデルフォイレたちのように。
◇
2年間の修練を耐え抜き、ジェラルディンは練達の使い手となっていた。
発作はなくならず、頻繁に貧血で動けなくなることも変わらない。しかし、苦痛に耐える意志が、いまはある。
グリフェンヘルムは修練の終わりを告げ、そして新しい道を示した。
強者と戦い、うち破ることで呪いは晴れる。
──"ロット・ソーサラー"ジェラヴィス。
グリフェンヘルムが語った名を、ジェラルディンは強く脳裏に刻みつけた。
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